トラックシートや軽トラ幌には、様々な素材が使用されていますが、中でも、エステル帆布、ターポリン、ポリエチレン(PE)は代表的な素材です。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、用途によって最適な素材が異なります。
この記事では、これらの3つの素材を比較し、それぞれの特性について詳しく解説します。
エステル帆布 | ターポリン | ポリエチレン(PE) | |
---|---|---|---|
基布 | 短繊維ポリエステル織布 | 長繊維ポリエステル織布 | プラスチックの一種 |
使用用途 | トラックシート、荷台カバー | 建築養生シート、機械カバー、テント | レジ袋、ブルーシート、農業用フィルム |
メリット | 摩擦に強い 丈夫で、長持ち | 安価、 使用用途が広い | 安価で加工しやすい 一次的な防水 |
デメリット | 高価 | エステル帆布に比べてやや重い 寒くなると硬くなる | 耐久性が低く、破れやすい |
耐久性(使用環境により前後します。) | 5~7年 | 3~4年 | 1~2年 |
それぞれメリット・デメリットがありますが、より素材の特徴を細かく見て見ましょう。
生地の加工方法が異なるエステル帆布とターポリン
エステル帆布とターポリンは、どちらもトラックシートやテントなどに使われる丈夫な生地ですが、生地の加工方法が異なります。
エステル帆布のディッピング加工
エステル帆布は、ポリエステル糸を織り上げた生地に、防水性や耐久性を高めるためにディッピング加工を施したものです。生地全体を液状の樹脂に浸け込み、樹脂を染み込ませる加工方法で、樹脂が繊維の内部まで浸透するため、生地自体に強度と防水性・耐摩擦性が付与されます。
振動やこすれにも強く、トラックメーカーの純正シートにも使用されています。
RVシリーズでは軽さと耐久性のバランスを考え、軽トラック用のシートとしては一般的なエステル帆布6号を採用しています。
ターポリンのラミネート加工
ターポリンは、ポリエステルなどの基布に、塩化ビニル樹脂(PVC)などのフィルムをラミネート加工したものです。基布の表面にフィルムを貼り合わせる加工方法で、高温高圧で圧着し、フィルムと基布を一体化させます。
ターポリンの最大の特徴は、エステル帆布に比べて安価であること。ただ、エステル帆布に比べるとこすれなど繰り返しかかる力に対しての耐久性が低く繊維が剥離しやすいため、シートのバタつきに弱いという弱点があります。
平シートやバタつきの少ない用途での使用には安価な事もあり適していますが、風の抵抗を受けやすいシーンでの用途には長年の使用には耐えられないと言えます。
エステル帆布 ディッピング加工 | ターポリン ラミネート加工 | |
---|---|---|
防水性 | 高い | 高い |
耐久性 | 高い | そこそこ |
通気性 | ある | ほとんどない |
外観 | 自然な風合い | 平滑な表面 |
価格 | 比較的、高価 | 比較的、安価 |
重量 | 軽量 | やや重量がある |
ターポリンよりさらに安価なポリエチレン(PE)シートは安価で購入できますが、耐久性も著しく低下するため、早ければ数か月と持たずに敗れてしまう事も考えられるます。
トラックシートとして、ポリエチレン製のシートの利用はお勧めしません。
エステル帆布とターポリンは、それぞれに特徴があり、用途によって使い分けることが重要です。
- エステル帆布
高い耐久性を求める場合 - ターポリン
コストを安く済ませたい場合
軽トラ幌としての役割を左右する「糸」の重要性
軽トラの幌を選ぶ際、生地の種類に注目される方は多いと思いますが、幌の寿命を左右する上で、生地の種類と同じくらい重要な要素が、幌を縫い合わせるために使われる「糸」であることをご存知でしょ
幌の縫製に使われる糸の役割
幌の生地は、雨風から荷物を守るための「鎧」のようなものです。しかし、この鎧をしっかりと繋ぎとめ、機能を維持させるのが「糸」の役割です。
糸の種類と特徴
軽トラ幌に使用される糸の主な素材は、大きく分けて「ビニロン」と「ポリエステル」の2種類があります。
- ビニロン
日本の技術で開発された、高強度・高弾性率・対候性に優れた合成繊維で、軽トラ幌の縫製に最適な強度と耐久性を持ち、長寿命な幌を実現します。 - ポリエステル
一般的なミシン糸として広く使用されており、糸の太さや種類によって強度や耐久性が異なります。
なぜビニロンが選ばれるのか?
ビニロンは、日本の気候風土に適した素材であり、長年にわたって日本の産業で利用されてきました。特に、屋外で使用する製品には高い耐久性が求められます。
- 高い強度
ビニロンは、ポリエステルよりも高い強度を持ち、繰り返しの負荷にも耐えることができます。 - 優れた耐久性
紫外線や雨風に強く、長期間にわたって性能を維持します。 - 日本の気候に適応
日本の四季の変化に対応できるよう、開発された素材です。
海外製幌との違い
海外製の幌の中には、ポリエステル糸を使用しているものが多く見られます。ポリエステル糸は安価で入手しやすいというメリットがありますが、ビニロンに比べて耐久性や強度が劣る場合があります。
そのため、縫い目からほつれてしまったり、破れてしまったりするケースが報告されています。
RVシリーズでは、ビニロン糸を使用し、縫製にもこだわっているため、長寿命で高品質な幌を提供しています。
まとめ
軽トラ幌を選ぶ際には、生地の種類だけでなく、縫製に使われる糸の種類にも注目することが大切です。
耐久性のあるエステル帆布をビニロン糸でこだわって縫製したRVシリーズの軽トラ幌&フレームは、オーダーメイドよりも低価格で、荷積み、荷下ろしが楽々ですよ♪
RV-2は、ターポリンを使用したより安価な海外製の軽トラ幌の選択も可能です。用途や予算に合わせてお選びいただけます。